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判例~休職期間満了での退職扱いは有効か?~

    
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判例~休職期間満了での退職扱いは有効か?~

私傷病による障害で休職した従業員Xが、復職を認めず休職期間満了で退職扱いとした会社に対して、雇用契約上の地位確認および賃金支払い等を請求した事件です。休職期間満了での退職扱いは有効と判断され、従業員Xの請求が棄却されています。 【N社事件  大阪地方裁判所 (令3・1・27判決) 】

その内容とはどのようなものなのでしょうか。

争点は、休職期間満了時点の復職の可否

当事件で大阪地裁は、Xが休職期間満了時において従前の業務に復帰するまでには回復しておらず、また、従前の業務への復帰に固執して配置転換を希望しなかったとしてXの請求を棄却しています。

Xは平成11年4月、職種限定のない正社員として電子部品製造大手に入社し、A事業所で生産技術の開発業務に従事していました。 平成26年5月、Xは趣味のオフロードバイク競技の練習中に事故で頸髄損傷、頸椎骨折の障害を負い、年休・欠勤期間を経て、平成26年10月4日から平成29年2月3日まで休職しました。

休職期間満了時、下肢完全麻痺などの後遺障害はあるものの、リハビリによって車椅子の自操やパソコン操作などが可能となったことから会社に復職の意思を伝えましたが、会社は就業規則の規定どおり休職期間満了でXを退職扱いとしたのです。

争点となった休職期間満了時点におけるXの復職の可否についてです。大阪地裁は、最高裁が片山組事件(平成10・4・9判決労判736号15頁)で示した判断枠組みに則り、従前の職務を通常程度に行えるまでに回復したか、あるいは配置転換により本人が納得した業務に就くことができたかによって評価したものと考えられます。 

A事業所から離れた自宅に戻っていたXは、復職の意思を会社に伝える際、在宅勤務を第一希望とし、A事業所に通勤する場合には、新幹線と福祉タクシーを利用する交通費の負担を会社に求めていました。しかし、大阪地裁は休職期間満了時、従前同様の1週5日間程度、A事業所に出勤する形態で労務提供できるとは現実的ではなく、認められないとしたのです。

障害への合理的配慮義務違反については否定

障害者雇用促進法において、障害のある労働者への合理的配慮の提供(法36条の3)が事業主に義務付けられていることに関して、Xの業務内容や就労に伴う危険性、 後遺障害の程度などを勘案すると、「合理的配慮指針に例示される程度の事業主に過重な負担とならない措置をもってしては、Xの業務の遂行は到底困難と解される」とし、この配慮義務違反を否定しました。

また、大阪地裁は、配置転換の可否について、 会社の人事担当者とXとのやり取りから、Xは従前の業務にこだわり「休職期間満了時において、配置される現実的可能性があると認められる他の業務について労務の提供を申出ていたとは認められない」と認定しています。

今回の判決では、会社の主張が認められることになりましたが、休職者の復職可否の判断においては、休職事由が消滅したか否か、復職可能な業務の選択肢の検討など復職に向けたプロセスを大事にし、 休職者との交渉なども丁寧に行うことが肝要といえます。 

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