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判例~マタハラ訴訟・会社側が逆転勝訴~

    
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判例~マタハラ訴訟・会社側が逆転勝訴~

育児休業後に正社員から契約社員に転換し、その後、期間満了で雇い止めになったのはマタハラに当たるとして、女性社員が会社に地位確認などを求めた訴訟で、東京高裁は、当該社員の雇止めを「合理的な理由を欠く」として無効とした一審の判決を覆し、マタハラには相当せず会社に違法性はないとして、会社の逆転勝訴を言い渡しました。 

【 J社事件 東京高等裁判所(令和元・11・28判決)  】

マタニティハラスメントを提訴された会社が逆勝訴した判例をみていきましょう。

提訴されたマタニティハラスメントの内容とは?

この判例は、マタニティハラスメントを訴えた女性社員が、東京高裁にて、一審で認められた雇い止めや慰謝料請求の判断を覆され、逆に会社側へ約55万円の支払を命じられるなどの会社側が逆転勝訴した内容となっています。

当該女性社員は、出産後1年半の育休期間中に子を預ける保育園が見つからず、週3日(1日4時間勤務)の契約社員として復帰。その後、復帰から8日後に預ける保育園が見つかったとして翌月から正社員に戻ることを会社に求めました。

しかし、すでにシフトが組まれており、すぐには対応できないとの会社からの返答を受けた当該女性社員は、個人加盟できる労働組合に加入し、マタニティハラスメント被害者としてマスコミの取材を受け会社の執務室では常に会話を録音する状態になりました。このため、会社は情報漏洩防止のために禁止された録音行為を続ける当該社員を雇い止めとしました。

その後、当該女性社員は会社側を訴えますが、主な焦点は、正社員としての地位、契約社員としての継続雇用、損害賠償請求などが認められるのかということにあります。

覆った判断~東京高裁の判断とは~

一審は、育児休業取得後の契約社員への変更は自由意思によるもので違法性はないものの、契約社員としての雇い止めについては無効とし、当該社員の慰謝料請求を認める判断を下しています。

しかし、控訴審では、復帰後に見つかったとされる保育園に入園申請をしていないことが新たに判明。最初の入園申請も自宅近くの保育園1カ所のみの申込みだったこともあり、どの程度熱心に保育園探しをしたかが疑問視されました。 

また、一審で雇い止めの理由として認められなかった執務室での録音行為や、マスコミ関係者の取材内容、業務時間内に作成した私的メールについても評価が大きく覆りました。 身を守るためと容認された執務室での録音行為は「自己にとって有利な会話があればそれを交渉材料とするために収集しようとしていたにすぎない」と判断され、マスコミ関係者への対応も「客観的事実と異なる事実を提供した、信頼関係を破壊する背信行為」 とされました。 

また、当該女性社員が就労時間中に作成した悪意の感じられる私的メールの評価も、一審ではあくまで当該社員の内心を労働組合関係者や弁護士に向けて作成したもので「信頼関係を破壊するものではない」としましたが、控訴審では「職務専念義務に違反している」という判断に変わりました。 

こうして東京高裁の判決では、一審同様、正社員としての地位の請求は棄却され契約社員としての雇い止めも認める判決が下りました。また、当該社員が行った提訴の記者会見やマスコミに話した内容が事実と異なり会社への名誉毀損に当たるとして、当該社員に約55万円の支払いを命じました。

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