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「働き方改革による年休取得率」そこから見える労働費用の変化とは?

    
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「働き方改革による年休取得率」そこから見える労働費用の変化とは?

厚労省から「今和3年就労条件総合調査」 の結果が公表されました。 

本調査は、令和2年(または元年会計年度)の民間企業の就労条件の現状を調査したもので、年次有給休暇(年休)の取得率が56.6%と昭和59年以降過去最高となったほか、5年振りに実施された労働費用の調査結果からは、法定福利費の減少傾向が読み取れます。 

それでは、年休取得率の上昇に伴い、労働費用がどのように変化したのかを詳しくみていきましょう。

年休取得率の上昇

令和3年就労条件総合調査結果で話題になったのが、昭和59年以降過去最高となった年休取得率です。 

令和2年の年休付与日数は労働者1人平均17.9日、うち平均取得日数は10.1日で、取得率は56.6%となり、4年連続で50%を超えました。

ただし、企業規模別にみると、大企業(企業規模1,000人以上) の年休取得率は前年の63.1%から60.8%に低下しており、その要因として「新型コロナウイルス感染症の影響で在宅勤務が増え、年休取得の必要性が低下した」、「外出自粛の影響で旅行などに行けなかったため」といったことがあげられています。 

労働費用の内訳と前年比について

労働者の雇用によって生じる一切の費用(企業負担分)である労働費用については、常用労働者1人1カ月平均の総額は40万8,140円で、うち現金給与額が33万4,845万円、現金給与以外は7万3,296円となっています。

現金給与以外の労働費用7万3,296円の内訳は、法定福利費が5万283円で最も高く、次いで退職給付等(1万5,955円)、法定外福利費 (4,882円)の順となっています。 

法定福利費は、厚生年金保険料2万7,905円が全体の55.5%を占め、健康保険料・介護保険料1万7,496円(34.8%)と合わせると全体の90.3%を占めています。

前回調査との比較では、厚生年金保険料が7.7%増、健康保険料・介護保険料が3.6%増などとなっています。

労働保険料は3,695円(7.3%)で、うち雇用保険は2,120円(4.2%)、労災保険は1,575円(3.1%)となっており、前回調査に比べて、労働保険料全体は12.9%減ですが、労災保険にかかる額は17.3%増加。そのほか、「子ども・子育て拠出金(平成27年に児童手当拠出金から改称)」が987円と118.4%増となっているのが目立ちます。

企業規模別にみる法定外福利費の変化

法定外福利費は、全体としては住居が2,509円(前回調査比18.8%減)、医療保険が729円(同16.9%減)、食事が493円(同20.0%減)などとなっていますが、企業規模30~99人のみ前回調査比13.7%増で、住居(31.3%増)、食事(78.7%増)などで大幅にアップしています。

全体的には少子高齢化の影響で社会保障費関連の法定福利費増の傾向が続く一方で、法定外福利費の抑制が進んでいます。ただし、企業規模30~99人では採用・リテンション対策への取組みとして法定外福利費の引き上げが窺える結果となっています。 

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