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働きやすい職場を目指して~ハラスメントを考える~

    
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働きやすい職場を目指して~ハラスメントを考える~

令和4年4月、中小企業に対しセクハラやマタハラと同様、パワハラ(パワーハラスメント)の防止措置が義務付けられました。職場のハラスメント対策は、企業の組織・事業運営上の大きな課題となっています。

「ハラスメント」が、いつからそう呼ばれるようになったのか、また職場で考えていかなければならないハラスメント問題についてみてみましょう。

ハラスメントと認知されるようになった裁判

「ハラスメント」とは、かつて「いじめ」「嫌がらせ」と表現されていましたが、その呼び方が社会に広く認知されるようになったのは、福岡セクシャル・ハラスメント事件(福岡地裁平4・4・16判決)とされています。その提訴があった平成元年の流行語大賞新語部門で「セクシャル・ハラスメント」は金賞を受賞するなど、ハラスメント問題を考える際、この裁判は著しく新しい変化といえます。

裁判の判決は、原告女性が全面勝訴し、セクハラを行った元上司や働く環境調整を怠ったとして女性の勤務先にも損害賠償が命じられました。それから、5年後の平成9年には男女雇用機会均等法が改正され、企業にはセクハラ防止に配慮する義務(配慮義務)があるとされ、さらに平成18年の同法改正で「配慮義務」は「措置義務」となり、差別禁止が男女双方に拡大されて男性もセクハラ被害の対象となりました。 

ハラスメント対策は経営問題の一歩と捉える

職場のハラスメント問題は、従業員個人の問題ではなく、企業経営上の構造的な問題であると捉える必要があります。ハラスメントが生じた場合、加害者への制裁だけで済ませることなく、どうしてそのようなことが発生したのか、その原因を深く究明する必要があります。

「ハラスメント」と呼ばれる以前は、職場の「いじめ」「嫌がらせ」問題は、個々の 社員間のトラブルやコミュニケーション不調の問題と考えられていました。その原因も加害者・被害者個人の性格や相性の問題に起因することが多かったといえます。

しかし、この裁判において、非常識な上司の言動が、対象の女性社員の人格や尊厳を侵害したものとして賠償責任の対象となり、さらには使用者の付随義務である職場環境配慮義務を会社が怠ったとして使用者責任を認めています。 職場の「いじめ」「嫌がらせ」が、当事者個人の問題から「ハラスメント」として、 企業組織や社会的な問題になったといえるのではないでしょうか。 

これまで職場の「いじめ」「嫌がらせ」問題に対する企業の取り組みが十分でなかったのは、個々の労働者レベルの問題と捉えてきたからであり、こうした意識の転換が求められてきているといえます。

ハラスメント問題に対しては、社会的な規制として関係法令の改正がなされたり、被害者が救済を求めて提訴する事例も増えており、会社としての訴訟リスクなども高くなってきています。企業組織や職場の抱える問題点に向き合う覚悟をもって対処することが再発を防止し、働きやすい職場環境を作るといえるでしょう。 

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