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意外と知らない「最低賃金法」〜具体例とともに計算方法を解説〜

    
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意外と知らない「最低賃金法」〜具体例とともに計算方法を解説〜

「社員の給与が最低賃金以上であることを確認する計算方法は?」

今回は、実際に寄せられた実務相談をもとに、最低賃金法についてみていきましょう。

“先日、昨年10月に大幅に引き上げられた最低賃金について、契約社員から、「会社は毎年、最低賃金額が見直されるたびに違反がないかどうか確認しているのですか」と聞かれました。これまで改めて従業員の給料が最低賃金額以上であるかどうか計算したことはありませんでしたが、実際にどのように計算すればよいのかご教示ください。”

「地域別最低賃金」と「特定(産業別)最低賃金」

最低賃金には「地域別最低賃金」と「特定(産業別)最低賃金」との2種類があります。

地域別最低賃金は、産業や職種に関係なく47都道府県ごとにすべての労働者を対象にしており、特定(産業別)最低賃金は、地域別最低賃金よりも高い最低賃金額を定めることが必要だと認められる産業で働く労働者を対象にしています。

ここでは、地域別最低賃金について説明することにします。

賃金額が最低賃金額を下回っていないかどうかの確認では、まず、対象となる賃金とそうでない賃金とを区別する必要があります。最低賃金の対象賃金は、毎月支払われる基本的な賃金である「基本給」と「諸手当」です。

ですから、①臨時に支払われる賃金(結婚手当など)、②1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)、③所定労働時間を超える労働や所定労働日以外などの労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金、休日割増賃金、深夜割増賃金など)、④精皆勤手当、通勤手当および家族手当、などの手当等については除外されます。 

給与体系による賃金額の計算方法

次に、給与体系ごとに次の式に当てはめて、時給換算した賃金額が最低賃金額以上であればよいことになります。

①時間給制:時間給≧最低賃金額

②日給制:日給÷1日の所定労働時間≧最低貨金額

③月給制:月給÷1箇月平均所定労働時間> 最低賃金額

④出来高払制・その他の請負制:賃金の総額÷総労働時間≧最低賃金額

なお、給与体系がこれらの組み合わせの場合、例えば、基本給が日給制で、職務手当が月給制の場合は、それぞれ②、③の式で時間給に換算し、それを合計した額で最低賃金額と比較します。

時間給換算して比較する

ここでは、具体例として日給制と月給制の組み合わせで支給されているケースを紹介しましょう。

東京都で働くAさんの賃金は、基本給は日給制(1日当たり6,750円)、手当は月給制(職務手当25,000円、通勤手当5,000円)で支給されています。1日の所定労働時間は7.5時間で、年間労働日数は250日です。

まず、賃金から通勤手当を除外し、基本給(1日当たり6,750円)と手当(職務手当25,000円)を時給換算します。日給制の基本給は6,750円÷7.5時間(1日の所定労働時間)= 900円となります。

次に月給制の職務手当は(25,000円×12か月)÷(年間労働日数250日×7.5時間(1日の所定労働時間))=160円で、合計すると1,060円となります。

令和3年10月1日からの東京都の最低賃金は1,041円ですから、最低賃金を上回っていることになります。

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