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最低賃金引上げの影響に関する調査

    
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最低賃金引上げの影響に関する調査

日本商工会議所・東京商工会議所が「最低賃金引上げの影響に関する調査」の集計結果を公表しました。 本調査は、一昨年まで4年連続で3%台の大幅な最低賃金の引上げが行われたことを踏まえ、 コロナ禍での中小企業の負担感や経営への影響などを把握するために実施されたものです。 ここでは、今年の最低賃金の改定に対する調査結果をみていくことにします。

6割弱が維持・引下げを

安倍政権時代、最低賃金に関しては年3%程度引き上げて、全国加重平均1千円を目指すとする表明があり、実際に2016年から25~27円の引上げが4年続きました。 しかし、昨年は新型コロナウイルス感染拡大による厳しい経済情勢の中で、雇用を守ることを最優先させたことから、最低賃金の全国加重平均額は1円の引上げにとどまりました。

ただし、「より早期に1千円を目指す」とする方針は、中期的に維持するとしており、 前菅首相からも昨年3月の経済財政諮問会議で改めてその方針が堅持されている旨の表明がありました。

しかし、 今回の調査結果をみると、多くの中小企業はこの方針に否定的な考えのようです。 今年の最低賃金額の改定に対する考えを尋ねる設問では、「引き下げるべき」もしくは「引上げはせずに、現状の金額を維持すべき」と回答した企業の合計は56.6%と過半数を超えています。 また、これを業種別にみると、やはり「宿泊・飲食業」(80.4%)、「運輸業」(72.8%)といった、新型コロナウイルスの影響が顕著な業種において、最低賃金の引上げに否定的な考えの企業の割合が高くなっており、とりわけ「宿泊・飲食業」では8割を超える結果になっています(図1)。

対応策は設備投資抑制

次に、今年、仮に最低賃金が30円の引上げとなった場合の経営への影響についての設問では、6割を超える企業で「影響がある」と回答しています。続いて、「影響がある」と回答した企業に対してその対応策を尋ねたところ、最も多かったのが「設備投資の抑制等」(42.1%)で、次いで、「一時金を削滅する」(28.4%)、「非正規社員の採用を抑制する」(24.9%) などの順となっています(図2)

また、 最低賃金引上げに対応するために必要な支援策について尋ねたところ、「税負担等の軽減」 (62.5%)が最も多く、次いで「助成金の拡充・使い勝手向上」 (50.0%)、「取引価格の適正化・円滑な価格転嫁」(45.4%)、「生産性向上に向けた設備投資支援」 (36.9%)などの回答が多くなっています(図3)。

賃金の伸び悩みによって消費が低迷すれば、 景気の冷え込みが懸念されます。ただ、本調査の最低賃金の大幅な引上げへの対応策をみれば、設備投資の抑制に加え、一時金の削減や採用の抑制を挙げる企業が多いことから、必ずしも賃金増には直結しないというのが商工会議所の主張のようです。

その一方で、政府は最低賃金の引上げによって地域格差を是正し、地方に人材を呼び込む仕組みにつなげたい考えのようですので、今年の最低賃金の改定が注目されます。

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