人への投資と分配が重点投資分野に~「骨太の方針」を閣議決定
政府は、現政権の中核となる「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」と今後の経済財政運営の指針となる「骨太の方針」を閣議決定しました。
人への投資と分配を重点的に投資へ
「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」の中の重点投資分野の一つである「人への投資と分配」では、下記の内容などを閣議決定しています。
- 成長分野(デジタル)への移動支援へ3年間で4,000億円規模の予算を投入
- リカレント(学び直し)教育の促進
- 多様な働き方が選択できる環境整備の為に労働契約関係の明確化
- 副業・ 兼業の推進
- 選択的週休3日制の普及を図る
様々な社会保障の計画
【最低賃金の引上げ】
最低賃金の引上げは重要な政策決定事項であるとして、早期に最低賃金の全国加重平均が1,000円以上となることを目指し、引上げに取り組む中小企業への丁寧な支援や取引適正化等に取り組みながら、景気や物価動向を踏まえ、地域格差にも配慮しながら進めていくとしています。
【女性活躍】
女性の経済的自立の実現に向けて、男女間の賃金格差の開示を義務化するとしました。男女賃金の差異の開示については、絶対額ではなく、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を、正規・非正規に分けて開示し、その際、説明の追記もできるような計画としています。また、令和4年7月には女性活躍推進法の省令が改正され、労働者301人以上の事業主は事業年度の実績を開示することになるとしています。なお、労働者101人から300人の事業主については施行後の状況を踏まえて検討するとしています。
【医療・介護分野】
令和5年度からマイナンバーカードを保険証として利用するためのシステム導入を医療機関・ 薬局に原則義務付け、健康保険証の廃止を目指すことなどが盛り込まれました。
また、全世代型社会保障の構築に向けて、これまでの給付は高齢者中心、 負担は現役世代中心という社会保障の構造を見直し、能力に応じて支え合うことを基本にした国民的な議論を進めていくとしています。