全国安全週間 労働災害防止の為の安全対策を再確認する機会に
厚労省では、労働災害防止に関するさまざまな取組「全国安全週間(令和4年7月1日〜7日)」を実施しました。95回目を迎えたこの取組は「労働災害を防止するために、産業界での自主的な活動の推進と会社・職場での安全に対する意識を高め、安全を維持する活動の定着」を目的としています。
労働災害を防止するためには、どうようなことが重要なのでしょう。
労働災害防止に向けたマインドが大切
労働災害は長期的には減少傾向ですが、高齢雇用者の増加に伴い、高齢者の労働災害や、転倒・腰痛といった労働者の作業行動に起因する労働災害も増加し、再び災害件数が増加傾向にあります。また、中小規模事業場における労働災害の割合が多いことから中小規模事業場の安全衛生活動を進めていくことが極めて重要です。
令和2年の死亡災害を見てみると、802人のうち89.1%が、1~99人規模の中小規模事業場で発生しており、死傷者数(13万1156人)についてみても、74.3%が中小規模事業場で発生しています。
中小規模事業場が大企業と比べて、労働災害防止対策を進めていく上で、資金、技術、要員、教育等において不利な面が多いのは確かな事ですが、防止策の推進には短期間で解決できないものも多いです。物理的な防止対策だけではなく、経営側が労働災害防止に向けたマインドをしっかりもつことが大切であるといえます。
労働災害防止の重要性を忘れずに
大企業のみならず、中小規模事業場でも大きな労働災害が発生したとなれば、経営側は責任を負うことになります。
- 不法行為責任
- 安全配慮義務違反による損害賠償
- 労働安全衛生法違反
- 業務上過失致死傷罪
- 作業停止・使用停止等の行政処分
- 労働基準法・労災保険法による補償
上記のようにさまざまな労働災害に加えて「企業の信用低下といった社会的責任」などが問われ、会社経営に及ぼす影響はとても大きなものとなります。「全国安全週間」を機に、労働災害防止の重要性を忘れず、それぞれの安全衛生対策について確認していくとよいでしょう。